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種 別 提言活動
タイトル 内閣改造に向けての緊急提言
発表日 2005/10/26
発表元
内 容 新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
「内閣改造に向けた緊急提言〜責任ある政治主導体制の確立を」

 小泉首相は特別国会終了直後にも内閣を改造し、自民・公明両党が圧勝した衆議院総選挙を受けた新しい内閣・与党体制を発足させる意向であると聞く。小泉首相が新しい内閣・与党体制を発足させるにあたっての最大の課題は、郵政民営化法案の成立を踏まえ、残された小泉内閣の任期中に推進する主要な構造改革および政権の重要課題の内容とその工程表を政権公約に照らして確定し、これを着実に実行に移すための責任ある体制を確立することにある。

 われわれはこのような観点から、小泉首相が政権公約の具体的な内容の確定とその工程表を一日も早く明らかにすることを求めるとともに、政権公約の実行に責任を持つ内閣と与党の体制を今般の内閣改造において確立することを強く求め、以下の提言を緊急に行うものである。

第1.組閣の基本と内閣・与党の一元化
■■ 【閣僚任命時における政権公約への支持の調達】

1) 組閣は首相を中心に政権公約を実現していくための体制作りである。政権公約によって政府に具体的な目的を与え、省庁積み上げ式の「官僚内閣制」を打破するとともに、首相を中心に「内閣・与党の一元化」をはかり、責任ある実行体制を作り上げる必要がある。そのためにも先ず首相は、大臣、副大臣、政務官の任命にあたってはその候補者に政権公約を提示し、改めてこれに対する支持を求め、契約を結ぶ手続きを踏む必要がある。

■■ 【大臣・副大臣・政務官はチームに】
2) 首相は最大の政治的資源である人事権を戦略的に行使し、全体的な人事構想の中で党人事、国会人事を含めた一元的な人事を行うべきである。ことに、大臣、副大臣、政務官は1つのチームにすべきである。そのためにも首相は、副大臣、政務官についても各大臣と協議しながら実質的な人事権を行使すべきである。また、大臣を任命したのち、1週間程度の時間をかけて副大臣、政務官の人事構想を練るなどの工夫も検討すべきである。

■■ 【主要党役員の入閣と人事面での内閣・与党の一元化】
3) 内閣・与党を一元化するためにも、政調会長など与党第1党の主要役員は、例えば、内閣府の国務大臣として処遇するなどの形で入閣させるべきである。また、今後の課題としては、副大臣、政務官等の定数を法律事項から政令事項に移すことで弾力化し、その時々の内閣の方針に応じて数を増すことを検討すべきである。そして、副大臣は党政調部会長を、政務官は衆議院の委員会理事等を兼務させ、人事面で内閣と与党・国会運営の一元化を進めるべきである。

■■ 【新しい党内意思形成システムの整備と与党事前審査の廃止】
4) 前項までのような内閣・与党の人事面での一元化を前提に、副大臣が党政調部会長を兼務すること等を通じて各大臣チームが与党議員の意見聴取・説得を行う新しい意思形成システムを整備する必要がある。政権公約作成段階での事前の党内合意調達ならびに、こうした新しい党内意思形成システムの整備により、内閣提出法案の国会提出にあたって別途与党が審査承認を行う従来の「与党事前審査・承認慣行」は廃止すべきである。

第2.政権公約の実行と官僚機構の統制

■■ 【政権公約の閣議決定と所管大臣への課題の提示】
1) 首相は自民、公明両党の政権公約の内容を再点検した上で、残された小泉内閣の任期中に内閣として実現をめざす課題の具体的な内容とその時間的目標(工程表)を確定し、組閣後の初閣議において閣議決定すべきである。このことにより、総選挙で国民と契約した政権公約の実現こそが内閣の使命であることを官僚機構に示す必要がある。また、首相は初閣議においてそれぞれの所管の大臣に対し政権公約を実現するための具体的な課題を与えるべきである。

■■ 【閣議の実質化】
2) 大臣は各省庁の代弁者ではなく、首相の方針を共有し内閣を構成する「国務大臣」である立場を徹底し、このことを通じて閣議の実質化をはかるべきである。閣僚間の意見交換は閣議後の閣僚懇談会で行われる従来の慣行を廃止し、閣議そのものを実質的な政策発議、政策討議、政策調整の場に改めるべきである。また、首相は内閣の「首長」であり、閣議の主宰者であることを再確認し、首相による「閣議決定の要約権」(サミング・アップ)等を活用すべきである。

■■ 【政権公約の実行体制の強化】 
3) 政権公約の実行体制を強化する観点から、内閣官房と内閣府の役割と機能の見直しを進めるべきである。例えば、今後の課題としては、内閣官房は「内閣総理大臣官房」(首相官房)に名称を改め、そのスタッフには政治任用職を大幅に活用し、首相個人を支える直属のスタッフとしての役割と機能に特化する方向で見直すことを検討してみる必要がある。また、内閣府の主要な任務を、各省庁にまたがる案件の調整並びに予算や経済政策全般、外交安全保障政策全般、人事管理全般等の基本方針の立案、政権公約の実行管理等に改め、閣僚委員会を活用し、閣僚レベルで政策調整を行う仕組みとして積極的に活用することも検討すべきである。

■■ 【官僚機構の掌握】
4) 官僚機構が首相・内閣の指揮の下で政権公約の実現に邁進する人事体制を確立すべきである。その一環として、今後の課題としては、組閣にあたっては大臣、副大臣、政務官の人事が行われた直後に各省事務次官、局長等の省庁幹部職員の人事を行う新しい人事慣行を検討すべきである。また、審議官級以上の高級官僚についてはその任免権を各省大臣から首相の権限に移管し、首相を補佐する一般職職員の活用を容易にすることも検討すべきである。そのため、今回の組閣においても、幹部職員の人事について所要の見直し、点検を行うべきである。

■■ 【審議会運営に対する政権の責任の明確化】
5) 審議会の運営に対する政権の責任を明確にし、審議会に依存した政策形成のあり方を見直すべきである。少なくとも、政権公約によって政策の方向性がすでに決定している政策課題を審議会に諮問する場合には、諮問段階において具体的な政策の方向性や大枠を明示し、諮問事項の範囲を明確に限定すべきである。また、政権として特に重要なものについては、大臣、副大臣、政務官等が座長を務めるなど、政治の側の責任で答申をとりまとめる体制に改めるべきである。

平成17年10月26日
新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
添付ファイル 20051026-1.pdf

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