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種 別 提言活動
タイトル 参議院選挙に向けての緊急提言
発表日 2007/06/06
発表元 新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
内 容 2007年6月5日

新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
参議院選挙に向けての緊急提言
〜今回の参議院選挙の位置づけと政策本位の選挙に向けた条件整備〜



2005年の総選挙で自民党・公明党の連立与党は、小泉首相のもとで政権公約を掲げて国民に「政権の選択」(首相候補、政権公約、政権枠組みの一体的選択)を迫り、その結果、国民は連立与党に対し300議席を超える議席を与えた。従って、本来であれば、今回の参議院選挙では、前回総選挙において小泉内閣が有権者にその実行を約束した政権公約(マニフェスト)の達成状況を巡り、小泉内閣の政権実績に関する中間的な検証・評価が問われるべきところである。

しかしながら、小泉首相は2006年の自民党総裁任期満了を理由に総選挙から僅か1年で退陣し、これにともない安倍内閣が誕生している。安倍首相は小泉改革の継承・発展を謳い、新自民党総裁、新首相に選出されたとは言え、総選挙を起点とした本来のマニフェスト・サイクルの観点からすれば、今回の参議院選挙がきわめて変則的な事態の中で行われざるを得ないことは明らかである。それだけに、今回の参議院選挙をどのように位置づけるかについては、報道機関を含めた国民的な合意形成が不可欠である。
 
本来、政権公約(マニフェスト)を起点に責任ある政党政治を確立する観点からすれば、
総選挙こそが政権掌握を目指す政党同士による「政権選択」(首相候補、政権公約、政権枠組みの一体的選択)の場であり、参議院選挙は衆議院選挙とは異なり、制度的には「政権選択の選挙」とは言い難い。21世紀臨調ではこのような事情を踏まえ、2004年の前回参議院選挙ではその意味合いを次の総選挙での最終決裁に向けた「中間選挙」と定義し、政権の「中間評価」を国民に問う機会として定着させることを提唱した経緯がある。

しかしながら、今回の参議院選挙はこのような通常の位置付けだけでは済まされない、
きわめて重要な意味を持つ。われわれは以上の認識を踏まえ、今回の参議院選挙の位置づけと、今回の参議院選挙を意義あるものとするために各党が果たすべき役割や条件整備について、以下の提言を行なうものである。

第1.今回の参議院選挙の位置づけ

1.今回の参議院選挙は「政権審判選挙」

昨年9月、自民党総裁選に立候補した安倍首相は総裁としての公約(総裁マニフェスト)を公表して当選を果たし、これを受けて安倍内閣が発足し今日に至っている。しかしながら、安倍首相は小泉改革の継承・発展を謳い、新自民党総裁、新首相に選出されたとは言え、小泉内閣当時にはなかった独自の政策や主張も展開している。しかも、安倍首相が自民党総裁選で約束した公約は第一義的には自民党員に対してのものであり、国民に対するものではない。安倍首相はまだ総選挙の洗礼を受けていない。
今回の参議院選挙が通常と異なるのは、このような経緯の結果、「政権選択の選挙」とは言えないまでも、安倍内閣に対する国民による初めての審判の機会となるからであり、この意味で今回の参議院選挙は単なる「中間選挙」という位置づけを越えて、国民によるきわめて重要な「政権審判の選挙」として捉えるべきである。審判の結果、前回総選挙における国民の意思と明らかに異なる結果が生じた場合は、安倍首相はできるだけ速やかに衆議院を解散するのが筋である。

2.憲法改正発議を行ないうる初の参議院議員を選ぶ自覚を

また、今回の参議院選挙は、今国会における国民投票法の成立を受け、3年後に施行さ
れる同法の下でわが国憲政史上初めて憲法改正発議を行なう可能性のある参議院議員を選ぶ選挙となる。この意味でも、今回の参議院選挙は通常とは異なる重要な意味合いを持つことを国民は認識する必要がある。


第2.今回の選挙を意義あるものとするための条件整備

1.国民は安倍内閣の政権運営・政策実績に関する「中間評価」を
 
安倍内閣に対する「政権審判選挙」である今回の参議院選挙は、発足から1年になる安倍内閣の政権運営や政策実績に関する「中間評価」を国民に問う選挙である。
前回総選挙で国民に政権公約が示された後、翌春には小泉内閣による最後の骨太方針が策定されている。さらに、同年9月の自民党総裁選で安倍首相は総裁公約を示して当選を果たし、本年6月には安倍内閣による初めての骨太方針が策定される。これらの経緯を踏まえ、安倍内閣が前回総選挙における政権公約をどの程度達成したかを評価する必要がある。その際、安倍首相が総裁選で掲げた自身の公約に基づいて政権公約を継承・発展させ、あるいは修正・転換しているとすれば、党内合意調達や国民に対する説明責任のあり方を含め、それを踏まえた安倍内閣の政権運営や政策の実績が国民に評価されるべきである。

2.安倍内閣は政権実績に関する自己評価の公表を

また、安倍内閣自身も、参議院選挙に向けて新しい公約を策定・公表する前提として前回総選挙以降の政権運営や政策実績に関する自己評価をできるだけ早い時期に公表し、国民に対する説明責任を果たす必要がある。特に下記の9分野については自身の実績評価を公表し、その中で小泉内閣が国民と約束した政権公約からの修正や追加・転換があれば、そのポイントと理由を国民に説明すべきである。

1) 郵政民営化
2) 歳出・歳入一体改革
3) 公的部門改革
4) 年金等社会保障制度改革
5) 地方分権改革
6) 教育改革
7) 憲法・国民投票法
8) 外交・安全保障政策
9) 政治とカネ

3.「安倍マニフェスト」の提示を

今回の参議院選挙は通常と異なり、安倍内閣に対する初めての「政権審判選挙」としての意味合いを持つ以上、安倍首相を中心とする自民党は、2005年総選挙における政権公約を再整理し、安倍首相の総裁選公約や首相就任後の政策展開を盛り込んだ周到かつ体系的な公約を策定し、改めて「安倍マニフェスト」(前回衆議院選挙における政権公約の追加・修正・バージョンアップ)として国民に示し、審判を仰ぐ必要がある。
また、連立与党は、選挙協力を行ない選挙後も連立政権を組むことを前提として参議院選挙に臨む以上、主要政策を事前合意し、「連立公約」(連立マニフェスト)として国民に示す必要がある。事前合意した「連立公約」はそれぞれの公約の中に明記すべきである。

4.有権者のために公約の早期公表を 

今回の参議院選挙を政策本位のものとするためにも、政党は準備している参議院選挙に向けた新しい公約をできるだけ早い時期に公表し、国民が十分な検討と評価を行ないうるだけの時間を確保すべきである。




5.民主党は前回政権公約の総括と政策体系の提示を 

また、民主党は、今回の参議院選挙における公約は次の総選挙に向けた本格的な新しい政権公約を策定するための第1歩と位置づけ、政権を目指す以上、個別争点のみならず、民主党の目指す日本の将来ビジョンと政策体系、改革の優先順位を明らかにし、国民に問うべきである。また、前回総選挙における政権公約の総括を含め、今後どのような党内論議の下で政権公約をさらに進化・発展させていくのか、その政権公約策定手続きや党内合意調達の方法を国民に明らかにすべきである。

6.各党は参議院改革の道筋を

参議院選挙は参議院のあり方について国民的な議論を喚起する好機である。各党は、参議院選挙に向けた新たな公約を作成するにあたっては、参議院のあるべき姿とそれに向けた改革の道筋を明らかにし、それぞれの公約の中に明記すべきである。
添付ファイル 参議院選挙に向けての緊急提言(最新).pdf

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