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種 別 提言活動
タイトル 地域経営の生産性改革−信頼に支えられる豊かな社会経済の実現へ向けて−
発表日 2007/01/23
発表元 経済活性化特別委員会
内 容 平成19年1月23日
経済活性化特別委員会報告書

「地域経営の生産性改革」
−信頼に支えられる豊かな社会経済の実現へ向けて−

財団法人 社会経済生産性本部

 財団法人 社会経済生産性本部(理事長・谷口 恒明)は、同本部が設置する経済活性化特別委員会(委員長:加藤寛・千葉商科大学学長、主査:玉村雅敏・慶應義塾大学助教授)がとりまとめた「『地域経営の生産性改革』−信頼に支えられる豊かな社会経済の実現へ向けて−」と題する報告書をとりまとめた。
 同報告書では、行政の効率化やサービス改善などの施策も不可欠だが、様々な地域課題の改善と魅力ある地域づくりに対しては、「地域経営」という視点から考え、その「生産性」を高めるため、NPO、ボランティア団体、住民団体、民間企業、労働組合などの、社会的な役割を担う多様な主体の活躍と協働、その基盤整備を提言している。

 地域経営とは単なる「行政機関の経営のあり方」ではなく、報告書はNPO、ボランティア団体、住民(団体)、民間企業、労働組合などの地域に係わる多種多様な主体組織の集合体、その経営のあり方を地域経営ととらえている。地域の改善課題を設定し、その達成責任を地域のみんなで共有(シェア)する。そこで生まれる、“改善”の実現を目指した“営み”の集合体が「地域経営」であり、多様な主体による活動を効果的に引き出し、相乗効果で改善を実現することを目指すのが「地域経営の生産性」の発想といえる。
 地域経営の生産性改革で求められるのは、<1>地域課題の調査、<2>成果目標の設定・共有化、<3>協働促進に向けた基盤・制度整備、<4>各主体の活躍・協働、<5>達成度の確認である。
 
 同本部では本提言を、政府、都道府県、市町村、主な産業界・労働界・NPO等に配付し、提言内容の実現を関係各方面に強く働きかけるとしている。

主な提言項目は下記のとおり。

はじめに −経済活性化の構造改革10年−

(1)行政管理型の「経済活性化」の限界と政策過程の改革
(2)政府・自治体による“公共独占の時代”の終焉と、新たな公共の担い手の登場
 1.経済活性化のために「地域経営の生産性」に着目を
   地域経営とは何か?
   地域経営における「生産性」の考え方
 2.「地域経営の生産性」を向上させるには何が必要か?

提言<1> 地域のアウトカムの“みえる化”と“共有化”の推進を
提言<2>(行政機関では)地域経営の生産性を高める基盤整備を
提言<3>(市民団体では)シェアード・アウトカムの戦略的な活用を
提言<4>(企業では)地域経営を意識した経営戦略を
提言<5>(労働組合では)生活課題の改善で働きがいの追求を
提言<6> 協働のプロセスを重視した契約ルールの整備を
提言<7> 生活課題の解決につながる投資モデルの構築を
おわりに −地域経営の生産性改革の展開にむけて−

【お問合せ先】 財団法人
社会経済生産性本部 経営革新部
 担当:清水・野沢 TEL.03-3409-1119 FAX.03-5485-7750
        
   
 (財)社会経済生産性本部・経済活性化特別委員会報告書
    
  「地域経営の生産性改革」
       −信頼に支えられる豊かな社会経済の実現へ向けて−

≪ 概 要 ≫
問題意識とコンセプト

<1>社会経済生産性本部が、地域経営の生産性改革のテーマに取り組む問題意識の背景は、個人、企業、労働組合、国、自治体などの各主体が、従来の思考や役割の枠組みを超えて、課題に対応することが必要な時代になってきたことである。20世紀の生産性運動は労使が主体であったが、21世紀の課題は、少子高齢化、経済成長の低下、グローバル化の進展、環境問題からの制約など、労使のみで解決できるものだけではない。21世紀の生産性運動は、労使は企業内の枠組みから抜け出し、企業を支える環境である社会に目を向ける必要があり、それ故、個人、国、自治体などをはじめ多様な主体の新たな参加を得て、相互の知恵と協力によって総合的なイノベーションを起こしていく必要があると考えている。

<2>現在、財政の逼迫・破綻による提供余力の限界、事業の一人歩きによる住民ニーズとの乖離などから、公共サービスのあり方が問われている。地域の課題解決は行政による公共サービスだけで実現することは、もともと無理があり、様々な各界各層の協力・協働があって実現するものである。共通の目標を地域で設定し、担い手を増やし、役割分担して、その実現を目指していくことが求められている。

<3>公共に対する多様な担い手は、多数登場してきている。地域に係わるNPO、ボランティア団体、地縁組織、ソーシャルベンチャー、CSRに目覚めた民間企業、労働組合などが現れてきており、ますますの活躍が期待される。
こういった認識のもと、社会経済生産性本部では、行政の効率化は当然のこととして、それとは別に行政だけに頼らない多様な担い手の協働による経済活性化の発想「地域経営の生産性改革」を推進したいと考えている。これは産業界で成果をあげた生産性運動の地域への展開でもあり、積極的に広めていきたい新しい運動である。

<4>本報告書で言う地域経営とは、行政機関の経営のあり方ではない。地域に係わる多種多様な主体組織の集合体、その集合体の経営のあり方をテーマとしている。経営には目標が必要であり、地域の達成したい成果(アウトカム)を目標として設定し、その達成責任を地域のみんなで共有(シェア)する。その成果の実現を目指した“営み”の集合体が「地域経営」であり、多様な主体による活動を効果的に引き出し、相乗効果で改善を実現することを目指すのが「地域経営の生産性」の発想である。

<5>本報告書では、上記の考え方から地域経営の生産性を高めるために必要な各担い手の役割や基盤・制度整備について提言している。

[具体的な提言内容]
・提言<1>
地域のアウトカムの“みえる化”と“共有化”の推進を
−組織経営でも地域経営でも「目標(あるべき姿=アウトカム)」の設定(みえる化)が必要である
−目標を設定することで現状とのギャップへの気づきを促し、そのことが多様な担い手の活動を誘発する
−地域経営のアウトカムをめぐる課題は、青森県・東海市・足立区五反野小学校の先進事例が参考となる
−アウトカムは、<1>生活課題の調査<2>評価指標の設定<3>現状値とめざそう値の調査<4>役割分担値の調査というアプローチでもって、住民の生活実感から設定できる
−地域経営の生産性を高めるには、各担い手に「PLAN(計画)−DO(実行)―SEE(評価)」(PDS)のマネジメントサイクルを持続的に回す営みとその高度化が必要である
 
・提言<2>(行政機関では)地域経営の生産性を高める基盤整備を
−必ずしも行政は船の漕ぎ手(公共サービスの提供者)である必要はなく、灯台や舵取りの役割でも良くなる
−積極的な情報提供や地域アウトカムの可視化・共有化の推進役など、多様な担い手が活動しやすいように地域経営の生産性を高める基盤整備をする役割が求められる

・提言<3>(市民団体では)シェアード・アウトカムの戦略的な活用を
−自発型の市民団体(NPO、ボランティア団体など)は、その活動を行うことが目的となることもあり、活動レベルでなく成果レベルを重視すること、さらにシェアード・アウトカムとの関係を意識した活動(自らのアウトカムと地域のアウトカムのリンク)が求められる
−地縁型の市民団体(町内会・自治会など)は、地縁型組織でないと解決できない問題に対処することや相互負担ができる仕組みを整備することが期待される

・提言<4>(企業では)地域経営を意識した経営戦略を
−CSRを理念に留めず、戦略的に意識し、地域経営にどう貢献するか検討し、実行し、成果をきちんと地域に示すことが求められる
−社会課題の解決に役立つ、地域のアウトカムの改善に役立つビジネスモデルを構築することが期待される

・提言<5>(労働組合では)生活課題の改善で働きがいの追求を
−他の担い手と連携・支援することや、OBも含め組合員が、社会的な活動で生きがいが追求できるように、条件整備や能力開発、意識づけを行うことが期待される

・提言<6>
協働のプロセスを重視した契約ルールの整備を
−多様な担い手が信頼を高め、協働・協力しやすくなる社会的な制度・仕組みが必要である  

・提言<7>
生活課題の解決につながる投資モデルの構築を 
−SRIや市民寄付、行政機関・財団などの助成において、地域のアウトカムを反映した資金の流れをつくる
 
・おわりに
−産業界で成果を上げた生産性運動を地域に広げ、国民運動としての新しい生産性運動の展開を図っていく必要がある。
                                       
添付ファイル 経済活性化特別委員会報告書:地域経営の生産性改革(070123).pdf
記者発表文(地域経営の生産性改革).pdf

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