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種 別 提言活動
タイトル 「骨太の方針2007」に向けた共同声明
発表日 2007/05/18
発表元 新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)
内 容 骨太の方針2007」に向けた共同声明
〜 地方分権なくして、骨太の方針なし! 〜

平成19年5月18日

「新しい日本をつくる国民会議(21世紀臨調)知事・市町村長連合会議」、「提言・実践首長会」

真の地方分権は、「自分たちの地域のことは自分たちで決める」ことにより、それぞれの地域が責任を持って自らの将来を切り開く力を持つことであり、このことが地域の持つ個性と資源を活かし、ひいてはわが国の再生につながる道である。
しかしながら、小泉内閣のもとで行われた「三位一体改革」では、3兆円の税源移譲が実現したものの、4.7兆円の国庫補助負担金の削減(うち0.8兆円は交付金化)と同時に5.1兆円の地方交付税等が削減され、地方財源は差引6兆円の大幅な減額となり、地方財政の窮迫をもたらした。また、補助金改革においても、単なる補助負担率の切下げ等理念なき数字合わせが行われ、結果的に零細補助金は減らず、地方の裁量や自由度はほとんど高まらないまま、未完の改革にとどまっている。
安倍総理は、本年1月の施政方針演説で、「地方の活力なくして国の活力はありません。私は、国が地方のやることを考え、押しつけるという戦後続いてきたやり方は、もはや捨てるべきだと考えます。地方のやる気、知恵と工夫を引き出すには、地域に住む方のニーズを一番良く分かっている地方が自ら考え、実行することのできる体制づくりが必要です。地方分権を徹底して進めます。」と述べられた。
安倍内閣のもとで昨年12月には地方分権改革推進法が成立し、本年4月には内閣府に地方分権改革推進委員会が設置された。今、第二期地方分権改革が本格化するに当たり、私たちは、今一度元気を取り戻し、この地方分権改革推進委員会を通じ、改革の原点に立ち帰り、国と地方がともに手を携え、国民のための真の地方分権改革に真摯に取り組む歩みを再スタートしなければならない。
その歩みを確かなものにするためには、まず、「骨太の方針2007」に地方分権のロードマップ(道筋)が盛り込まれなければならない。私たちは、わが国の構造改革の中で地方分権が果たす役割が極めて大きいことを踏まえ、めざす真の地方分権確立に向けての明確な青写真が「骨太の方針2007」に盛り込まれることを求め、ここに知事・市町村長連合会議、提言・実践首長会共同による緊急声明を発表するものである。

1 「骨太の方針2007」において、「地方分権改革の推進」を重要課題として位置付けること。
「三位一体改革」がスタートした年の「骨太の方針2003」には、「地方分権の理念に沿って国の関与を縮小し、税源移譲等により地方税の充実を図ることで、歳入・歳出両面での地方の自由度を高める」と明記され、併せて「概ね4兆円を目途に国庫補助・負担金を廃止、縮減等の改革を行う」との数値目標が掲げられたことにより、その後の三位一体改革の進展につながった。
しかしながら、昨年の「骨太の方針2006」では、地方分権に向けての関係法令の一括見直しが別紙に盛り込まれ、地方分権改革推進法制定に結びついたものの、本文中からは「地方分権」という文言が消え、分権改革に対する政府の姿勢が年々後退していることを示す象徴的なものとなった。安倍内閣がこの国の再生のために、本当に地方分権を推進することを志すなら、近く策定される「骨太の方針2007」において、重要課題の柱として、「地方分権改革の推進」をしっかりと明記することが何よりも必要である。
2 「骨太の方針2007」には、第二期地方分権改革の具体的な達成目標、そこに至るロードマップ(道筋)を明記すること。
先の三位一体改革は、行財政面での地方の自由度を高めることからは、ほど遠い結果に終った。その轍を再び踏まないためにも、「骨太の方針2007」には、以下の事項を中心に、「第二期地方分権改革」の具体的な達成目標とそこに至るロードマップ(道筋)を明記し、政治主導でその実現を図ることが必要である。
(1)国と地方の役割分担の見直しと実質的な権限の移譲
(2)税源移譲を含めた地方税財源の充実強化
?国税と地方税の税源配分を5:5
?格差是正を図るため、税源の乏しい団体、とりわけ市町村に対する十分な配慮
(3)地方自治体の自立と連帯を促す「地方共有税」構想の実現
(4)国と地方の二重行政の解消等による行政の簡素化・効率化
?国による関与、義務付け・枠付けの廃止・縮小
〜条例制定権の拡大、法令の規律密度の緩和
?国庫補助負担金の削減及び税財源の移譲
?国の地方支分部局の廃止・縮小による国と地方の二重行政の解消
(5)地方に関わる事項についての政府の政策立案及び執行に関して、政府と地方の代表者等が協議を行う「(仮)地方行財政会議」の法による設置
3 地域間格差問題を地方法人二税の東京偏在問題等に矮小化し、地方分権時代のあるべき地方税の議論を抜きに、中央主導で独断専行により現行地方税の弥縫(びほう)策のようなものを講じないこと。また、東京一極集中問題は、地方分権改革によって根本的な解決を図ること。
住民の生活に身近な行政を担う地方の主要な財源となる地方税は、安定性があり、過度な偏在性のないものを中心とすべきであり、法人二税の東京偏在問題も、そうした視点から論じられるべきである。
すなわち、東京も含めたそれぞれの地域が、持てる力を発揮し、活力のあふれた地域となるよう、地域の行政需要に応じた安定的な自主財源が確保されることが基本であり、この問題の解決を、地方全体の財政力が低い水準の中での格差是正で済ましてはならない。
まして、地域間の歳入格差の問題をことさらに強調して、その是正のみをもって、地方の自由度を高める地方分権改革の幕引きを図ったり、遅延させたりすることは絶対にあってはならない。最近、政府首脳が言及している「ふるさと納税」制度についても、地方の自主財源である地方税のあり方の問題であり、中央主導で独断専行により進めるべきではないし、むしろ国税からの寄付金控除等の仕組みにより、こうした制度に分権改革の観点をしっかり盛り込むことが必要である。
また、地方の経済が疲弊し、財政が逼迫する一方で、人、もの、金、情報、文化など、あらゆる機能と富が東京に一極集中している現状は、国が長い間中央集権的な体制をとってきたことの結果であり、この問題の根本的な解決のためにも、真の地方分権改革を推進するとともに、政府が責任を持って、東京にこれ以上の集中を招かないための政策、さらには東京に集中した機能を全国に分散する政策を思い切って断行することを強く求める。
4 地方に行財政改革を押し付けるのではなく、国と地方が連携して改革に取り組むことにより、国・地方を通じた簡素で効率的な行政システムの確立を目指すこと。
三位一体改革の期間中、5.1兆円もの地方交付税等が削減されるなど、地方行財政を取り巻く環境は一段と厳しさを増している。
そのような中で、全国の多くの都道府県、市町村では、増大する行政需要に的確に対応し、住民福祉を向上させるため、すでに国を上回る定員削減や給与カット、思い切った事務事業の見直しを断行するなど、不退転の決意で行財政改革に取り組んでいるところである。
しかしながら、国においては、こうした地方の努力や実態を軽視し、国の財政再建を優先するあまり、毎年の地方財政計画に見られるように厳しい歳出削減を地方に課し、その一方で自らの身を削る地方支分部局の廃止・縮小等の検討等は、ほとんど行われていないのが現状である。
現在検討されている道州制の導入が、国の地方支分部局の廃止・縮小等の検討をなおざりにしたまま、単なる都道府県の組み合わせによる合併に終わるようなことは絶対に許されない。真の地方分権改革は、国と地方が国民的視点に立ち、国・地方を通じて簡素で効率的な行政を確立することによって初めて実現するものである。地方も引き続き徹底した行財政改革に取り組む覚悟であり、国においては国の役割を国際社会における国家としての存立にかかわる事務等の国が本来果たすべきものに重点化することを基本として、自ら率先して更なる行財政改革に真摯に取り組むことを強く求める。
5 総理大臣をトップとした「地方分権改革推進本部」が強いリーダーシップを発揮するとともに、運営に当たっては、「(仮)地方行財政会議」を早期に設置し、地方側の意見を十分に反映すること。
 三位一体改革の経緯でも明らかなように、関係省庁と個別折衝を重ね、同意を得ながら進める方式では、第二期改革で国民的視点に立った成果を上げることは困難と言わざるを得ない。言い換えれば、第二期改革の成否は、関係省庁の手ではなく、総理大臣を中心とする内閣及び国権の最高機関である国会の手に委ねられるべきである。
 そのためにも、今後、安倍総理を本部長とする「地方分権改革推進本部」が強いリーダーシップを発揮し、官僚主導ではなく「政治主導」で真の地方分権改革に邁進されることを求めるものである。
 また、昨年成立した「地方分権改革推進法」の付帯決議で、「地方分権改革推進計画の作成に当たっては、地方公共団体の意見を幅広く、誠実に聴取するよう、常設の場を設ける等、最大限の配慮を払うとともに、地方分権改革推進委員会の勧告を尊重してその実現を図ること。」とされた趣旨を踏まえ、政府と地方の代表者等が協議し、地方の意見を政府の政策立案及び執行に反映させる恒久組織である「(仮)地方行財政会議」を早期に法により設置し、今後の分権改革の推進に当たり、地方側の意見を十分に聴き、尊重し、反映することを強く求める。
添付ファイル 070518-1.pdf
070518-2.pdf

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