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種 別 提言活動
タイトル 緊急提言「雇用不安の解消を求めて」〜将来展望のもとに閉塞感の打破を〜
発表日 2008/12/25
発表元 労使関係特別委員会
内 容  緊急提言 「雇用不安の解消を求めて」 〜将来展望のもとに閉塞感の打破を〜

いま世界的に、不況のさらなる深刻化が進み、雇用危機の拡大が懸念されている。わが国においても、急速に雇用情勢が悪化するなかで、多くの産業・地域において閉塞感が強まっており、新たな成長分野が見えないことが将来への不安感を一層高めている。しかし、こうしたときこそ、わが国の将来を見据え、企業の活力を取り戻し持続ある発展にむけた取り組みが求められる。 
 現下の事態に翻弄されることなく負の心理的連鎖を断ち切り、直面する難局を克服するために、企業労使や政府・自治体、さらには各政党に対して緊急に以下の取り組みを求める。

生産性向上の精神と企業・政府への要請

1. 世界同時不況といわれるこの厳しい情勢を乗り越えるためにも、今後の労使による協議・交渉では、「雇用の安定」「労使の協力・協議」「成果の公正分配」といった生産性運動3原則の精神をふまえ、予断をもつことなく、真摯な議論を徹底して行うべきである。さらに、この精神が労使の信頼関係の基礎であることを企業労使は確認し、企業活力の再生にむけ、職場をはじめとする組織全体において、生産性の向上に取り組むことが重要である。

またその際、労使が培ってきた信頼関係に基づき、短期的視点に陥ることなく中期的ビジョンをもちつつ、正社員のみならず非正社員を含めすべての従業員を対象とした労使の話し合いを行うべきである。

2. いまや雇用の安定は、わが国の緊急かつ重大な課題である。この事態に際し、企業においては、業務改革などを進め雇用の安定にむけた労使の努力とともに、雇用・賃金・労働時間をふくめたワークシェアリングの実施について本格的な議論を求めたい。そのうえで、「働き方改革」の流れを止めることなく、働く者のキャリアの継続的・安定的な発展が図られるよう雇用の安定・確保にも取り組むべきである。

困難な状況にあるからこそ、企業としては、新規事業開発や研究開発投資などを積極的に進め、国際競争力の強化とともに新たな雇用機会を切り開くことの重要性を忘れてはならない。政府は、雇用のセーフティネットの整備に万全を期すことにくわえ、企業のこうした前向な取り組みを支援しつつ社会的インフラの整備にも積極的に取り組むべきである。


雇用不安を解消するための政策の実行

3. 深刻化する雇用情勢に機動的に対応し、緊急の雇用対策を一段と強化することが、もとより不可欠である。それには、政府予算の早期成立や現行の追加経済雇用対策の速やかな実施にとどまらず、雇用の受け皿づくりを早急に進めるべきである。この政府自らの積極的な取り組みにくわえて、さらなる実効性を求め、企業労使が協力のもと官民あげて雇用機会の提供を図ることが必要である。

特に、医療・介護・教育・保育や、国民の安全を担うサービス分野では、必要とする人材が不足している。こうした分野への人材流入支援として、雇用機会の提供が緊急に行われるべきである。あわせて、円滑な人材の移動にむけ、これら分野における戦略的な教育訓練の実施や雇用環境の整備が必要である。

4. いま求められるのは、社会全体として早期に雇用を生み出す国民的行動である。それには従来型の発想にとどまることなく、政府ならびにすべての省庁が一丸となって戦略的雇用創出に取り組むべきである。その際、環境・エネルギーやバイオテクノロジー応用など新分野への投資とともに、農林業の再構築や観光立国の推進など国家プロジェクトとしての新たな方向性を示すことが欠かせない。そのうえで、実効性ある政策メニューの策定や必要な社会的インフラの整備など、産業と雇用に関わる総合的な戦略を展開すべきである。

さらに、雇用対策としても、これまでの所得・生活保障や再就職支援といった枠組みをこえ、人材への投資という観点から教育を重点とした政策への抜本的転換を進める必要がある。このため、公共職業訓練機関はもとより民間機関や学校など、教育に関わるすべての機関を通じた職業教育の強化を進め、エンプロイヤビリティ(就業能力)の向上に取り組むべきである。
添付ファイル 081225提言プレスリリース表紙.pdf
081225緊急提言.pdf

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